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2016年05月20日

【デジスコの特徴を活かした撮影】 ⑤軽量・コンパクトが活かせる撮影

【デジスコの特徴を活かした撮影】シリーズ

デジスコの機材総重量は3kg~6kg程度です。決して軽くはありませんが、肩に担いで歩けない重量ではありません。重量で問題となるのは、担ぐ重さよりも三脚を伸ばしたり縮めたりする操作時の腕などにかかる重量です。腕力の少ない女性が3kgの小さいデジスコを選ぶ理由はそこにあります。

 デジイチの場合をイメージすると、300mmF4(サンヨン)での手持ちシステムで約2kg。カメラ倍率を含めて450mmF4となります。デジスコのワイド側と比較すると同じ大きさに写そうと思えば被写体までの距離は概ね半分にしなければなりません。同じ距離からだと半分の大きさにしか写せません。いかんせん、通常の野鳥撮影には焦点距離不足です。デジスコ3kg、サンヨン2kg、この差は1kgもあるので小さいとは言えませんが、撮影中にずっと持って(首にぶら下げて)いる2kgと半分以上の時間三脚に乗せて自立している状態とでは明らかにデジスコのほうが楽になります。もちろん、サンニッパや50‐500ズームなどとの比較であればよりデジスコのほうが楽をすることができるわけです。
デジスコは1000mmF3から3000mmF6のズーム機ですから焦点距離による楽も合わせ考えるとなおさら女性にもオススメできます。
 画質重視の作品狙いとなるとデジイチシステムも600mmF4や400mmF2.8という巨大なレンズの登場となります。こんなレンズにも1.5倍テレコンつけるわけですから、野鳥撮影では明るさと焦点距離の両方が如何に必要かということがわかります。ちなみに、ロクヨンシステムで三脚・雲台を含めた重量は14kg(新型は2kgほど軽くなっています)。テレコン、カメラ倍率を含めて1200mmF5.6となります。画質重視のデジスコシステムの重量は6kg。1000mmF2.8~3000mmF6です。
 撮影機会は圧倒的にデジスコが多いことは前述のとおりですが、この重量差と実際の大きさ、扱いやすさの差は撮影スタイルに大きく影響を与えます。男性なら片手でも持つことができるデジスコは搬送のみならず三脚の伸縮や瞬時の移動も簡単にできます。私も体力はあるほうですが、さすがにロクヨンを持って日がな一日歩き回って撮影するなど苦痛以外のなにものでもありません。カワセミ・ヤマセミのトビモノ狙い以外でロクヨンを使うことはここ数年ありません。やはり、大砲は定点撮影用と割切ったほうが良いと思います。
 私の友人(ロクヨン使い)と何回も海外撮影をしています。彼はカワセミ系のトビモノでは天才的な才能のあるカメラマンです。10年近く、ロクヨンひとすじで出かけていましたが、現地ではカワセミが飛翔するシーンが極めて少ないこと、機材が重いこと、焦点距離が不足していること、明るさが足りないことを理由に、先回からロクヨンを諦め、デジスコをメインに海外にでかけるようになりました。もともとロクヨンを駆使できる実力者です。デジスコでの作品は腰が抜けるほど素晴らしい成果を出してきました。

投稿者 turbo : 2016年05月20日 14:31

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