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2007年06月23日

観察用から撮影用に進化する地上望遠鏡

tsn_880_01.jpg

地上望遠鏡の国別シェアでは日本・ドイツがやはり秀でているように思います。デジスコ向き国産スコープの相場は60mmで9万円、80mmで15万円程度で「高級品」と言われていました。もちろん、観察用であればこれらの製品で世界レベルと言えます。
さて、KOWAのTSN-884。前モデルの824も確か21万円と高価でしたが観察で使うと色かぶりの無さに皆さん驚かされた覚えがあると思います。
ところがこの824は撮影用に使うにはいろいろ難しい面が多く、設計の主体が「観え」であって、「写り」では無かったことがデジスコでの難しさにつながっていたと思います。
KOWA社のすごいところは、国内需要の変化を素早く取り入れることと、世界のマーケットの変遷を予想して素早く手を打ってくることです。
TSN-884、本体25万円。アイピースまで含めて30万円。いやいや、高価です(笑) しかし、デジスコ撮影用に十分使える光学性能にするためには、マーケッティングから始まるゼロベースのリニューアルを実行する必要があったと思います。それを、やっちゃったんですね(笑)
大口径観察用スコープ(アイピース付)の20万円を5割り増しの30万円まで価値を高めたと言えます。同じような製品の価値観を5割上げることは大変な努力と決断が必要なわけで、ユーザーにしてみれば「同じ価格でなんとか・・・」という人も多いかと思いますが、適切なコストを投入して価値が上がったので納得して購入する人が多いと思います。改めて、KOWAの快挙に拍手です!

さて、気になるのはNIKON。実力では世界トップクラス。TSN-884、TSN-774に対抗する高級品の新発売を期待したいものです。

投稿者 turbo : 2007年06月23日 11:50

コメント

たーぼ♪さん、随分とKOWA社を持ち上げていますね~(^_^;)ヨイショし過ぎですよ♪

う~ん、824Mについては大口径故の難しさは別として、接眼レンズによる平面性の再現力に違いがあるのではないでしょうか?
旧型は確かに「見え重視」だと思いますが、ツイストアップ式になった新型では「写り」も改善された気がしますけど・・
(実はこれ、660&600系でも同様の傾向でしてコントラストは旧型の方が高いので眼視向き、新型の方がフラットで写真向きみたいです)
ということで、私がこの数年デジスコ用としてKOWA社の進化を感じているのは主に接眼部分の性能向上とでも言いましょうか・・
770&880系では接眼レンズの取り付け口径が大きくなり、820系より余裕ができた点が性能上で大きく影響しているのでしょうね。
ではその先はどうなのか・・大きく違うのはデュアルピントノブの部分だけかな(^_^;)(微動側が820系と同じギヤ比のようですが)
まずフローライトの対物レンズについては880系と820系では口径差が影響するほど性能の大差はないと思います。
プリズム部は770&880系よりも820系の方が大幅に余裕がありそうですが、820系では接眼レンズの取付口径(プリズム開口部の絞り効果?)で失敗していた気がする・・
それに対して新型共通のプリズム部は、770系では十分な余裕があるものの880系ではギリギリのような感じでしょうか?
つまり構造的に1番バランスが良いのは770系だと思うが、肝心要のフローライトクリスタル対物レンズ機が無いのは製品化の上で痛恨の選択ミスでしょう。
トップグレードで5割り増しの価格設定を見たときに、824Mからの買い替えは無駄(トータルの性能向上に見合う価格とは思えない)と感じました。
価格設定は適切なコストを反映したものかも知れないが、私が価値を感じる部分とは違いがあるというだけのことなんですけどね。
(残念ながら私には「モデルチェンジで価値を高めたのではなく価格を吊り上げただけ」の印象が強いです・・ごめんなさい♪)
よって私としては現段階の製品としては770&880系の購入予定は無しという結論です。
だけど・・先日も別スレで書きましたが、770系のFL機が発売されたら間違いなく買うでしょうね(^ー^;)

投稿者 ぴーすけ : 2007年06月24日 20:28

ぴーすけさん あはは、ヨイショはしていますが、本気でそう思っているんですよ(笑)
結果として、現状では一番良い絵が出ます。固体差かな?とも思いましたが3固体比べて自信を持って言えるので書きました。
774のFL化が出たら、私もメインにするかも知れません。
824、難しいでしょ?私と某店長が合計3個体使って良い絵がほとんど出せずに途方に暮れました・・・・新しいアイピースがポイントって言っても824には取り付けできないわけで、写りって理屈じゃないと思います。写るスコープはどんなに否定しても使うし、売れます(笑)

もしも、カックンパッタンで884を壊しても、また884を買います(^^;

投稿者 たーぼ♪ : 2007年06月25日 00:19

> 774のFL化が出たら、私もメインにするかも知れません。

あれ~~??
たーぼ♪さん、以前、修理に出されたと言われてた、L社77mmは どうされたのでしょうか?
(KOWAのスレなのに、すみません^^;)

投稿者 せせらぎ : 2007年06月25日 01:14

せせらぎさん L社APO77はドイツから帰ってきました。正直、使っていないのでなんとも言いにくいのですが、すべてオーバーホールしてくれたそうです。(たっぷり修理費取られましたが・・)
たぶんAPO77はTSN-774よりも私好みで、TSN-884よりも簡単だと思います。大きくて重いことを除けば今でもトップと思います。
でも・・・製造中止では皆様にオススメすることもできないので現状はお蔵入りです(^^;

投稿者 たーぼ♪ : 2007年06月25日 03:34

いろんな意見があってしかるべきで、そんな場があることは好ましいですね。
現824ユーザーからすれば購入後すぐ新製品が出て旧品はラインナップから外れたのが何とも…(バーゲンに釣られただけですけど w)
私は評判の良いL社は眼中になく国産のN社K社での比較でしたが、80系のN社はシャープさはともかく”色具合と多線ボケ具合”を比較しK社を選択(あくまで個人の好み)しました。概ね満足してます。
ただ以前からターボさんが言われている「824は撮影用に使うにはいろいろ難しい面が多く」の部分が今ひとつ理解出来ていませんし気になっています。ま、それは追々解ってくるのでしょうけど。
大口径に求めるものは「より高い解像度」であって操作上の難しさは当然だと思っています。

私の場合、新型と824を比較し買い替えるメリットは?と考えれば二段式のピントノブと6㍉の口径差、それにデザインの格好良さでしょうか。
他にもっと大事な要素があるのかな…?

もちろん824を所有していなければ884を即購入となってたはずですけどね。(2本所有は無理ですから)

投稿者 もり 。 : 2007年06月25日 20:26

もりさん 824は悪くないんです。良い撮像結果が出ることは事実です。但し、確率が低いと言わざるを得ません。明るさ、光の向き、距離、倍率、コントラスト、ピントなど良い条件が重なった時は、眼視そのままの抜けの良い驚くべき結果もあります。このケースがあるから困り者なんです(^^; 再現できると思い、何度も何度も繰り返しチャレンジし、メーカーさんからも良さそうな固体をお借りしてがんばってみました。苦労しながらでも作例はでますが見えている素晴らしい絵が写らない辛さにはへこんだ覚えがあります。
私の関係する「でじすこや」では824は標準販売でも、バーゲンでも824を販売しませんでした。664は筆頭で推薦させて頂きましたが、「撮影」を主眼とするデジスコをビジネスとする限り販売品目には難しいスコープは並べないと判断したからです。

もりさんがおっしゃるとおり、「大口径に求めるものは「より高い解像度」であって操作上の難しさは当然だと思っています。」と思います。

但し、ヨイショということではなく、884は使った方であれば、皆同じ事を感じるはずです。「思いのほか簡単に写る」・・たぶん

投稿者 たーぼ♪ : 2007年06月25日 23:31

ほ~、「でじすこや」では820系用として【P1-9W】というのを出していましたけど・・
つまりこれは「スコープではない」けど「撮影用でもない」ということだったのかな?
私はコレが出たからこそデジスコ用として大口径の824M購入に踏み切ったのですが(^_^;)
確かに824Mは使いこなしが難しいけど、それ故に楽しいですよ♪

ま、すでに824Mは生産完了機種なわけだし、使い易くなったのならモデルチェンジとして成功なのでしょうが・・
やはり私にとっては買い換える気になるほどの魅力は無いな~。

投稿者 ぴーすけ : 2007年06月26日 01:29

ぴーすけさん 鋭いご指摘(笑)
P1-9Wは確かに限定数作りました。すでに824をお持ちの方からの強いご要望に応じた製品(改造品)です。824を推奨してのアダプターではないことをご理解下さい。
このエントリーは824を否定することが目的ではないのでわかってやってください。
もりさんが仰るように、「いろんな意見があっても良い」と思います。

特に、使いやすい、難い。好き、嫌い。などは万人すべてが異なる印象を持つと思います。引続きご意見を聞かせてください。

投稿者 たーぼ♪ : 2007年06月26日 02:13

 たーぼ♪さんのレポートと作品に背中を押されて、L社Apo77から884に乗り換えたOBです。
 Apo77は大変使い易く綺麗な写真が撮れるスコープだったのですが、長く重いのが玉に瑕、海外へ持って行くのは辛かったのです。884/774が発表されて、大口径にも拘らずコンパクト、評判も良いので「774か884を買おうかどうしようかな~」と揺れていました。そんな時に、たーぼ♪レポートと質感表現力の素晴らしい作品を見て、思わず884を買ってしまいました。
 結果は、たーぼ♪さんに感謝感謝。焦点深度の薄さによるピント合わせの難しさを心配していましたが、クリアーさと明るさでピントの山をつかみ易くシャッターチャンスを逃す頻度が減ってきました。これはジンバル雲台による目標導入のし易さ、そしてIXY1000の連射性能、画像処理能力との相乗効果も大きいとは思いますが、腕が格段に上がったのかと錯覚してしまうほどでした。(^^ゞ
 理屈は別にして、884は「80ミリを超える大口径レンズは難しい」という先入観を払拭させる「使い易いスコープ」だと実感しました。唯一、最短合焦距離が5mとApo77の3.9mと較べると長いため、自宅とか近距離用にはApo77/62を使おうと思っていましたが、全て884で済ませてしまっておりApo77/62はどちらも防湿庫に鎮座したまま、近くオークションに出す積りです。
 素直に感想を書いたのに、結果的にはたーぼ♪さんをヨイショしてしまったOBでした。

投稿者 OB(藤田) : 2007年06月26日 15:14

TSE-9Wとズーム系を除けば標準品のP1自体が820系のアイピース対応になっていますけどね・・(^_^;)
ま、気にしないでください♪@突っ込み担当ですから(^o^;)わはは。

投稿者 ぴーすけ : 2007年06月26日 21:35

たーぼ♪さんの解説とぴーすけさんの突っ込み興味深く拝見させて頂きました。(^^)/
ROMにしておこうと思ったのですが、824Mユーザとして一言。
60mmスコープはN社、K社を使いましたが、私のレベルでは差を見つけることは出来ず、結局軽いだけの理由で604を多用していました。
80mmクラスを買おうと思ってED82と824Mを比較したのですが、これまた軽いのと対物焦点距離が極端に長くならないと言う理由で824Mを導入しました。(価格の違いはFLなので一応納得して)
購入前から80mmクラスは被写界深度の関係で難しいと聞いていましたが、実際使ってみるとそれ程でもなく、ピントの外れがよく解るので、かえって合わせ易いとさえ思いました。
現在不満と言えば、長いのでバックへの収まりが悪い位で、買い換える迄には至りません。
プリズムの大きさとかアイピースの取り付け径とか色々言われていますが、同じ条件での撮影でどれほどの差が出るのか、解りませんので様子見を続けています。

投稿者 望遠狂 : 2007年06月26日 23:23

OBさん あはは、すみません・・結果ヨイショを頂きまして(笑)私個人としてはオススメしたものを信じて頂いて、高い満足感を持っていただけることを大変幸せに思います。
現在、884/30倍/IXY1000一本で作品撮影をしています。依頼テストなどは別として、この組合せが一番好きな撮影ができるからです。こんなスコープを作ってくれた興和さんを賞賛してもおかしくはないと思っています(笑)

ぴーすけさん 突っ込み担当ありがとうございます。思いっきりボケてもいいのですが(笑)
適度な前後ボケ程度にしておきたいと思います。そういう意味では774@FLは欲しいですね。

望遠鏡さん ROM(笑)どんどん参加してください。スコープの設計はもちろん論理的な背景があると思いますが、私の視点は「写る」か写らない」かの経験工学なんです。「写る」けど「難しい」というのもあるし、「難しい」から「面白い」というのもあります。楽しみ方は個々人で異なって当然です。私の役目は「確率高く写る」を探してご紹介することと思っています。

投稿者 たーぼ♪ : 2007年06月27日 01:54