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2015年12月27日

【エッセイessay】⑨ のぞき魔から神へ

男子たるもの板壁があれば節穴を探し、目をくっつけてのぞくのが好きなわけで、犯罪かどうかは別として穴があればのぞきたくたるわけです。
顕微鏡とか双眼鏡って黒い縁取りに丸い穴があって、そこに見たいものが写っています。
さて、デジスコ撮影はスコープで見えている黒い縁取りのある穴の風景を四角く切り取って拡大した映像を撮影します。丸い縁取りの〇の内側に□が入れば周囲に黒い影が出ることは無いのですが、□が〇の部分にはみ出しているとケラレという現象が起こるわけです。
当時は標準レンズ搭載のコンデジの焦点距離(35㎜換算は40㎜~120㎜程度)は、ちょうど〇の内側ギリギリに□が入る状況でしたのでケラレはほとんど出ませんでした。しかし、スコープとカメラのレンズ間距離が適正でないとケラレや周辺減光という邪魔な現象が生まれてしまいます。
カメラの光学設計の中でレンズの筒、いわゆる鏡筒が大きく伸び縮みするカメラはやっかいで、ケラレを回避しようとするとレンズがニョキッと出てスコープに衝突したりするため、使い易いカメラと難しいカメラがあることがわかってきました。


計算で相性の良し悪しがわかることはほとんど無いので、実際に合わせてみて経験則で判断します。そのためにはカメラメーカーのショウルームや量販店さんで試させてもらうのが合理的なのですが・・・そこでヒーローの登場です。
「人柱」と呼ばれる買ってみてから考える勇気ある人々です。
今でこそコンデジは3~5万円と買いやすい価格ですが、当時は5~10万円という大金が必要でした。資力が無ければできないのが人柱さんでした。その人たちのおかげで、相性の良いコンデジを年に2~3機種見つけることができデジスコの歴史が一気に加速しました。そして、ネットを通して情報が伝わり、人柱さんたちが「神」?として崇められるようになりました。
ん?ひょっとしたらデジスコ愛好家たちが集まり始めたのはこの人たちの自虐的なパフォーマンスがキッカケだったのかも知れません。

投稿者 たーぼ♪ : 2015年12月27日 09:57

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