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2007年08月03日

デジタル一眼レフとスコープでの撮影について

サポートデスクに入るご質問の中でここのところ多くなっているのが
1.一眼レフカメラをスコープに取り付けたい。
2.そういったシステムで撮影しているがうまく行かない
というものです。

質問をされてこられる方の期待を裏切るような答えになりますが、残念ながらお奨めできるシステムでは無いとお答えしています。実際に使用してみて良い画像を得ることが難しいからです。理由を考えてみました。

1.暗いシステムになる(シャッタースピードが稼ぎづらいシステム)
  参考
  KOWA 884で F7.7 680mm - F11.4 1000mm
  KOWA 774で F8.8 680mm - F13 1000mm
  NIKON ED82 F13 1000mm
  ※ デジタル一眼レフの35mmフィルム換算の焦点距離は、上記焦点距離
   に各カメラの係数を掛けた物になります。

2.一眼レフアタッチメントが構造上長いものになるため、システム全体が
  とても長くなり振動しやすい。支えるためのステーも必要になるので、
  とり回しが悪く、デジスコのメリットのひとつである機動性が無い。

3.一眼レフにはミラーショックやシャッターのショックなど振動元がある
  ため低速シャッター時にブレの影響を受けやすい。

4.上記のようなブレの問題で、感度を上げて撮影せざるを得ないため、一
  眼レフ本来の画質が得られない。

5.優秀なスコープでも設計の前提が眼視であるため、周辺部分の画質は、
  悪くなる。コンパクトカメラの場合は受光素子が小さくかなりトリミン
  グを施したような状況なので周辺部分の画質の悪い部分を使っていない
  が、一眼レフでは受光素子が大きいため画質の悪い部分も画像として取
  り込まれてしまう。結果、周辺部分の画質の甘さが目立つため日の丸構
  図でしか撮影が出来ない。

6.カメラレンズではないため、オートフォーカスは効かない。必然的にマ
  ニュアルフォーカスになるが、最近のカメラはファインダーでのピント
  の山がわかりづらい上に、暗いレンズとなるため余計にピントの判断が
  つかない。

7.カメラレンズではないことの影響で露出の計測についても、正確ではない。
  撮影後に液晶画面で確認をしなければならず効率の良い撮影は厳しい。


スコープにしても高性能なものは安いものではありません。それだけの投資をするならば、カメラ用のレンズを検討することも出来ます。600mm/F4や500mm/F4などのような超高性能レンズは無理としても、焦点距離と明るさを欲張らばらなければそれなりのレンズは手に入りますね。カメラレンズの場合は中古市場が確立しているので、そういった購入方法も考えられます。
一眼レフカメラを使用するならばカメラ本来の機能を生かせるカメラ用レンズを使用するべきです。
これでは倍率が物足りないとお考えの方は迷わずコンパクトカメラを使用したデジスコシステムをご検討ください。

投稿者 : 2007年08月03日 23:41