« 2019年02月 | メイン | 2019年08月 »

2019年05月27日

【ルーペ付き液晶フード】の話190527 その④

設計の薀蓄(うんちく)・・・こんな字を書くんだ(^^;
・・思ったより長い、書ききれない・・・part1ということで

カメラの液晶画面に装着して「なんちゃってEVF」にするわけですがコンデジの背面に取り付けて使います。例えば再生画面を見るだけなら押し当てて見れば良いので取り付けなくても良いのですが、液晶画面を接眼して撮影するのですから「取付」なければなりません。
しかし、常時取付にすると図体が大きくなり持ち運びに邪魔です。そこで、着脱自在型にしました。
液晶画面に両面テープで固定枠を取り付けます。着脱は簡単にポキポキってできなくちゃいけないし、また、簡単にハズレすぎても使い物にならない難しい「塩梅」があります。
さて、そろそろ薀蓄(笑)

①両面テープを液晶面に貼る???やばくない?

多くの場合、デジタルカメラの液晶画面は薄い強化ガラスをカメラボディーに粘着剤固定されています。ここで使われている粘着剤は弾性のあるかなり強烈な接着力を持つものです。
液晶フード枠に採用している両面テープは弱粘着剤/PP紙/スポンジ/PP紙/弱粘着剤の5層構造を持った特殊なものです。弾性体で構成されているので引張り方向に伸び、力が抜ければ戻ります。この両面テープの粘着力・弾性・粘着面積の塩梅がカメラの表面強化ガラスの強度や固定力を上回らないことで役割を果たすことができます。また、両面テープは剥がして糊残りしないようにしなければなりません。そこで、PP紙が糊の保持の役目をしてガラス面に残さないように働きます。また、真ん中のスポンジ層が歯科用フロスなど糸を通すことで切れるようにしています。取り外し時には、残ったPP紙付糊を指先で丸めて取れば綺麗に処理できます。

②枠が取りつくと邪魔じゃないですか?

ここはすごく悩んだところです。できるだけ薄く、邪魔にならないものが良いので、当初は鉄板枠を貼りつけフードに永久磁石・・などというアイデアも試しましたが、かなり強い磁力が必要で電磁系はいろいろ故障の原因になるので没。プラスチックにカエシをつけてフードのゴム弾性で固定する・・うまくいかないので没。結局、一番お金のかかる4点プッシュロッド固定型樹脂枠に決定しました。これもまた『塩梅』が大事で、写真のように抵抗感はあるものの360°方向にもぎりとる感じで外せ、取り付けることができる。それには、フードにも硬い部分が必要になり、さらにお金がかかる結果になりました。実際に枠を取り付けた状態で手や衣服、鞄などにひっかかるカエシも無いので角の丸い高さ6㎜の厚み増加で納まりをつけました。

③4点プッシュロッド固定型樹脂枠って・・凄そうだけど

これ、スペック決めるまでに手がかかりました。白いのが削り出しのPOM製ロッド、裏側には押し出すためのコイルバネがちゃんと入ってます。固定は固定板を小ネジ2個で固定。なにせ全部ちっちゃいから組み立ても大変(笑)しかも「純国産」。
固定に関してはフード側の樹脂穴(プッシュロッド先端径より小さい)にロッド先端の半球が仮固定された状態で4点で固定する。と同時にフード樹脂部突端と枠の受けが面接触しているという状態です(メカ好きな人は面白い話と思いますが・・・それ以外の人にはごめんなさい)4辺(または4面)が接触している間はしっかり固定されますが、斜めの応力がかかって面接触から開放されるとプッシュロッド接触点がずれて全体を開放します。
通常に覗いて使用している時は、けっこうシッカリ感があるけど、外す時やぶつかった時には簡単にハズレるということになります。フード枠と固定枠の縦方向の隙間と面接触した時のロッドの穴に対する係り方・・・煮詰めるまで大変でした(^^;
まあ、楽しんで作っているわけで・・(これがいかん)安かろう悪かろうなら1/3ぐらいのコストで作れると思います。でも、大切なカメラにくっつけて使ってもらうんですから、中途半端なものは作りたくないですよね。

DIGISCO.COM製のルーペ付液晶フード


その① 光学ファインダー&液晶ファインダーの話
その② 「見える」っていう意味
その③ 老眼って単語、ほんとに嫌
その④ 設計の薀蓄(うんちく)part1

投稿者 たーぼ♪ : 11:44 | コメント (0)

【ルーペ付き液晶フード】の話190527 その③

老眼って単語、ほんとに嫌だね・・・で、ルーペの出番。

私は40歳ぐらいから始まって、現在に至りますが・・・電車の中でメガネなしで文庫本が読めなくなって「あれ?」って気が付きました。
デジタルカメラの液晶画面も3インチ(対角線で8㎝弱)までは大きくなりましたがカメラの大きさに限界がありそれ以上は大きくならないようです。
若い人(または近眼の人)は概ね10~15㎝の距離でピントが合うようですが、老眼と自覚している人たちは30~40㎝離れないとピントが合いません。では、それぞれの距離で見える液晶画面の大きさを比較してみましょう。

え”~~!!うそ~~!!っていうぐらい違う大きさで見ているんです。
そこで、天の助けが凸レンズ。
例えば30㎝離れないと見えない私が10㎝の距離で見ると、大きさはでっかく見えるのですがボケて見えません。ところが目の前に3倍レンズを置くと・・あら不思議!ピントが合うのです(多少レンズから眼の距離を調整しますが)つまり、大きな絵のままピントが合って見える。若くて健康な目に対抗できるのです(笑)

老眼、近くで大きく見るには適度な倍率の凸レンズを目と見るものの間に入れれば良いのです。そう、老眼鏡をフードにくっつけて覗けば若者と同じように大きく鮮明に見え、かつ、裸眼なら不思議と遠景が見えるのですから野鳥撮影にはピッタリの眼になれます。
※乱視や白内障など個人差に対応してはおりません(^^;

あ!カッコ悪く思わないのであれば、デジスコじゃなくて通常撮影でも使えますよ。液晶画面に近づいて見れればマクロ撮影のピン山なんか簡単に見れます。ちょっと欲しくなりませんか?

■DIGISCO.COM製のルーペ付液晶フードが絶対にオススメ。

その① 光学ファインダー&液晶ファインダーの話
その② 「見える」っていう意味
その③ 老眼って単語、ほんとに嫌
その④ 設計の薀蓄(うんちく)part1

投稿者 たーぼ♪ : 11:33 | コメント (0)

【ルーペ付き液晶フード】の話190527 その②

「見える」っていう意味。

デジタルカメラの企画や開発をしている人たちとは十数年いろいろお話させて頂く機会がありましたが、彼らが本当の意味で理解していないことが一つだけあります。
液晶画面が1.5型10万画素程度の小さい時代には「小さくて見難いなぁ~」とたくさんの議論がなされ、いろいろな方向で改善が積み重ねられて今の姿になったようです。
しかし、今の姿では「見え難い」のです(^^;
これは老人の叫びなのですが・・・「見難い!」
デジタルカメラの開発&研究者達は優秀な若者が多く(ほんと優秀ですよ)話していても明るい未来を感じる人たちです。
しか~し、老眼の人はいないのです(笑)勉強し過ぎて近眼な人はいるのですが、老眼はいません・・・ここがダメ(^^;
で、できあがってくるのは若い人が使えば解像力や発色、ピント面表現力などその時点では完璧なものを作ってくれます。
しかし!残念ながら老人には見難いのです(しつこいようですが)だって、見えている面積が小さいのです。
200万画素以上あるEVFよりも100万画素しかなくても2倍の大きさに見える液晶画面ほうがピント合わせができるのです(^^;
お陰様で、3インチ液晶画面に取り付けるルーペ付き液晶フードが売れるのでありがたいのですが、下記レポートのようにEVFがついているのに小さいから液晶フードを使うという老眼な人が多いことも理解してもらえると、シルバーマーケットを手に入れることができると思います(笑)


左がG7の液晶ビューファインダー              右が液晶パネルに液晶フードを装着

■参考リンク


その① 光学ファインダー&液晶ファインダーの話
その② 「見える」っていう意味
その③ 老眼って単語、ほんとに嫌
その④ 設計の薀蓄(うんちく)part1


投稿者 たーぼ♪ : 11:05 | コメント (0)

【ルーペ付き液晶フード】の話190527 その①

大変お待たせしました。液晶フード「HD-30WMC」がやっと入荷しました。
フード用のゴムの設定が厳しく難航していましたが、ゴム屋さんの協力を頂き再生産できました。
レンズを入れたり部品を組み立てたりするのはこれからですが、お待ちいただいたお客様に取り急ぎご連絡させて頂きます。(R1.5.27)


その① 光学ファインダー&液晶ファインダーの話
その② 「見える」っていう意味
その③ 老眼って単語、ほんとに嫌
その④ 設計の薀蓄(うんちく)part1


その前に光学ファインダー&液晶ファインダーの話。

デジイチの光学ファインダーや液晶ビューファインダー(EVF)って良いものは本当に良く仕上がっているんですが、リアルタイムに見えるという意味では光学ファインダーが無敵ですね。EVFも最近のものは大変出来が良くなってきて、タイムラグも少なくなってきているようですが鳥屋さん達には「遅い」と不評です。
某メーカーの開発マンさんと以前に議論したことがあって、その時に盛り上がったのがEVFの将来性。映像が遅れて出力されることや視認&シャッター操作~実際の撮像までの遅れがあるのが現状の欠点ではあるけれど、一歩進んで考えると全体のタイムラグをプログラムに組み込んで、液晶に見えている実時間と操作して撮像するまでの実時間差を個人の遅れを計測し、結果的に映像が見えている実時間ジャストに撮像できるAI含みの機構を作れる可能性があるのはEVFなど液晶モニターにある。という話でした。
実際に、左目で実画像を見て、右目で編集画像を見ることになるのでちょっと変な感じでしょうが・・実はすでに遅れた映像を見ているEVFではこの現象が起きているんですが使えちゃっている。ですから、もう少しその差が大きくなっても不思議と慣れちゃうのかなって(笑)
さらにプリキャプチャーのタイムラグを手動で組み込めばタイムトラベラーの如く飛翔写真を写せるマジシャンになれそうな気がします。

宣伝:ルーペ付液晶フードHD-30WMC


その① 光学ファインダー&液晶ファインダーの話
その② 「見える」っていう意味
その③ 老眼って単語、ほんとに嫌
その④ 設計の薀蓄(うんちく)part1


投稿者 たーぼ♪ : 11:00 | コメント (0)